次の日、私は学校を休んでしまった。

行くつもりだったけど風邪をひいてしまったのだ。

逃げてるようですごく嫌だったけど、私の為に他の人へ風邪をうつすような事はしたくなかったから。



・・・退屈。

カズ君への問題を抱えていたとしても、今は誰かと話していたかった。

(とりあえず寝なきゃいけないよね)

あまり好きじゃない風邪薬を飲んで、そのまま横になっていた。





お腹がすいて、目が覚めた。

身体が随分楽になっていた。

(何か作って食べよ)

台所に行くと、お母さんがお昼を作ってくれてあったみたいで、お粥がラップして置いてあった。

(ありがと、お母さん)

お母さんが帰ってきたらお礼をしなきゃね。



『ピンポーン。』



温め直してお粥を食べていると、インターホンの音がした。

薄い上着を羽織って、玄関へ早足で歩いていった。

「うぃーす、風邪は大丈夫か??」

シゲ君が心配して見に来てくれたみたい。

「うん、大丈夫だよ。ずーっと寝てたら治っちゃった。」

「そっか。それなら大丈夫そうだな。あっ、そうそうお見舞いで、リンゴ買ってきたんよ。

風邪には良いと聞いたことあるから、さっき買ってきた。」

「ありがと。心配かけてゴメンね。」

「まぁ気にするなや。困った時はお互い様っていうわけだし。」

「うん。シゲ君が風邪ひいたときは私がお見舞いに行ってあげるからね。」

「ああ。そん時は頼むよ。んじゃ、しっかり寝るんだぞ。また明日な。」

「うん。また明日ね。」

(心配してくれたんだな)

「ゴホゴホ!」

んー、しゃべってんのは良かったんだけど、ドア開けっぱなしで話してるのはまずかったかな。

(少し寝てよ)

食べかけのお粥を食べ終えてから、またベットで横になった。





「・・・ん。」

あれから3時間以上寝ていたみたい。

外はすっかり暗くなっていた。

「あれ?」

おでこに濡れたタオルが置いてあった。

階段を上がってくる音が聞こえた。

様子を見に来たのはお母さんだった。

「あら、起きてたの?元気になった?」

「うん。大分楽になったよ。」

「そう。良かったわね。これも和人君のおかげかな。」

「うー、なんでカズ君の名前が出るの!」

「あら。気がつかなかったの?30分くらいあんたの看病してたのに。」

「そうなの!」

「嘘なんかついたってしょーがないでしょ。」

「うー、そうだけどさー。なんで起こしてくれなかったの?」

「彼が、風邪ひいてるんだから起こしたら悪いって言ってたんだからしょうがないでしょ。」

「ん〜カズ君なら言いそうだ。」

「明日お礼言っときなよ。」

「うん。そうする。」

相変わらず優しいなぁカズ君は。こうやってタオルかけてくれ・・・。

「!!」

机の上の、私が昨日書いた手紙・・・。

「まさか、カズ君読んじゃったのかな・・・。」





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